切ない春も、君となら。
そして迎えた、花火大会当日。
集合時間は十七時だから、まだ三時間はあるな、とベッドの上で仰向けになりながら携帯のホーム画面に表示された時計を見ながら予定を確認する。
その時、ちょうど一件の新着メッセージが届く。
ホーム画面に表示されたのは、なんと近田君の名前だった。
ど、どうして⁉︎
思わず上半身を起こし、無駄に姿勢を正し、アプリを起動させる。
近田君からのメッセージには、
【これから会える?】
と書かれていた。
い、一体何で⁉︎
でも断る理由はなく、【大丈夫だよ】と返信した。
その後、近田君に指定された駅の改札で彼と待ち合わせをすることになった。
時間的にそのまま花火大会に行くことになるだろうから支度してきて、と彼に言われたので、その通りにした。
駅に着くと、近田君が既に待ってくれていた。
お待たせ、と言って彼に近付くと、「おお、悪いな。急に呼び出して」と言ってくれた。
「って。浴衣じゃないんだな?」
「あ、うん……」
私は正直に、浴衣がないことと、あっても着付けしてくれる人がいないことを話した。
すると。
「だと思った」
「え?」
「教室で浴衣の話してた時、お前いつもの作り笑いしてたからな」
「えっ、嘘⁉︎」
以前指摘された作り笑い。莉菜達とのことを近田君に相談して以来、作り笑いはしてないって思ってたけど、まさかそんなところで出ていたとは。
「そんなに分かりやすい作り笑いだった?」
「まあ他の皆は気付いてないんじゃないか?」
ってことは、近田君だけ?
近田君には私の全部がお見通しなんだなぁ……なんて考えて、うっかり嬉しくなってしまった。
すると、彼は。
「じゃあ行くぞ」
そう言って歩き出す。
私も彼の隣を並んで歩きながらついていく。
どこに行くんだろう?
ていうか、何で呼び出してくれたんだろう?
集合時間は十七時だから、まだ三時間はあるな、とベッドの上で仰向けになりながら携帯のホーム画面に表示された時計を見ながら予定を確認する。
その時、ちょうど一件の新着メッセージが届く。
ホーム画面に表示されたのは、なんと近田君の名前だった。
ど、どうして⁉︎
思わず上半身を起こし、無駄に姿勢を正し、アプリを起動させる。
近田君からのメッセージには、
【これから会える?】
と書かれていた。
い、一体何で⁉︎
でも断る理由はなく、【大丈夫だよ】と返信した。
その後、近田君に指定された駅の改札で彼と待ち合わせをすることになった。
時間的にそのまま花火大会に行くことになるだろうから支度してきて、と彼に言われたので、その通りにした。
駅に着くと、近田君が既に待ってくれていた。
お待たせ、と言って彼に近付くと、「おお、悪いな。急に呼び出して」と言ってくれた。
「って。浴衣じゃないんだな?」
「あ、うん……」
私は正直に、浴衣がないことと、あっても着付けしてくれる人がいないことを話した。
すると。
「だと思った」
「え?」
「教室で浴衣の話してた時、お前いつもの作り笑いしてたからな」
「えっ、嘘⁉︎」
以前指摘された作り笑い。莉菜達とのことを近田君に相談して以来、作り笑いはしてないって思ってたけど、まさかそんなところで出ていたとは。
「そんなに分かりやすい作り笑いだった?」
「まあ他の皆は気付いてないんじゃないか?」
ってことは、近田君だけ?
近田君には私の全部がお見通しなんだなぁ……なんて考えて、うっかり嬉しくなってしまった。
すると、彼は。
「じゃあ行くぞ」
そう言って歩き出す。
私も彼の隣を並んで歩きながらついていく。
どこに行くんだろう?
ていうか、何で呼び出してくれたんだろう?