切ない春も、君となら。
「え?」
「……って呼ぶことにする」
私から顔を背けている彼の表情を覗くことは出来ない。
でもきっと、顔を真っ赤にして照れているのだろう。
春、って。季節の春のことかと思った。
どうやら、私の名前みたい。
「……嬉しい」
家族にも、友達にも、莉菜達にも〝春〟とは呼ばれたことない。
近田君からの、特別な呼ばれ方。
「……じゃあ私も〝総くん〟とかどうかな?」
「それだとうちの母親と被るな」
「被ってもいいじゃない」
「やだ」
途中からさっきと全く同じ会話。そんな話の内容を、やけに面白く、楽しく感じてしまう。
花火、あんまり見えなかったけど凄く綺麗だったよ。
来年も一緒に見よう。総介君ーー。
「……って呼ぶことにする」
私から顔を背けている彼の表情を覗くことは出来ない。
でもきっと、顔を真っ赤にして照れているのだろう。
春、って。季節の春のことかと思った。
どうやら、私の名前みたい。
「……嬉しい」
家族にも、友達にも、莉菜達にも〝春〟とは呼ばれたことない。
近田君からの、特別な呼ばれ方。
「……じゃあ私も〝総くん〟とかどうかな?」
「それだとうちの母親と被るな」
「被ってもいいじゃない」
「やだ」
途中からさっきと全く同じ会話。そんな話の内容を、やけに面白く、楽しく感じてしまう。
花火、あんまり見えなかったけど凄く綺麗だったよ。
来年も一緒に見よう。総介君ーー。