切ない春も、君となら。
「……」
「……」
私達の間に沈黙が走る。
泉は、いつも莉菜と一緒に私のことを利用してくる。だから当然、私は泉のことが苦手だ。
だけど泉は莉菜と違って、私と二人きりの時に私を利用してくることは今まで一度もなかった。
現に今も、これといった会話はないけれど、意地悪をしてくる訳でもない。
私はそんな泉の考えていることが、昔からよく分からなかった。
すると泉がふと口を開く。
「春日さ、莉菜に早く謝った方が良くない?」
え? と思わず聞き返すと。
「この間、カラオケボックスで莉菜に歯向かったでしょ。
今は莉菜も様子見て大人しくしてるけど、そのうちまたあんたに近付いていくよ。
今のうちに謝っといた方が良くない? 何されるか分かんないよ?」
「……」
「一応、あんたのために言ってるんだけど」
そんな風に言ってくるということは、やっぱり泉にとっても莉菜は恐怖の対象なのかもしれない、と思った。
私も、泉の言っている通り、自分の身を守る為には莉菜に早く謝るべきだと思う。
だけど、そうしようとは思わなかった。
莉菜のことは怖いけど、これ以上あの子の言いなりになりたくない……。
そう泉に伝えると「馬鹿だね」とたった一言返される。
「……」
私達の間に沈黙が走る。
泉は、いつも莉菜と一緒に私のことを利用してくる。だから当然、私は泉のことが苦手だ。
だけど泉は莉菜と違って、私と二人きりの時に私を利用してくることは今まで一度もなかった。
現に今も、これといった会話はないけれど、意地悪をしてくる訳でもない。
私はそんな泉の考えていることが、昔からよく分からなかった。
すると泉がふと口を開く。
「春日さ、莉菜に早く謝った方が良くない?」
え? と思わず聞き返すと。
「この間、カラオケボックスで莉菜に歯向かったでしょ。
今は莉菜も様子見て大人しくしてるけど、そのうちまたあんたに近付いていくよ。
今のうちに謝っといた方が良くない? 何されるか分かんないよ?」
「……」
「一応、あんたのために言ってるんだけど」
そんな風に言ってくるということは、やっぱり泉にとっても莉菜は恐怖の対象なのかもしれない、と思った。
私も、泉の言っている通り、自分の身を守る為には莉菜に早く謝るべきだと思う。
だけど、そうしようとは思わなかった。
莉菜のことは怖いけど、これ以上あの子の言いなりになりたくない……。
そう泉に伝えると「馬鹿だね」とたった一言返される。