切ない春も、君となら。
それに続いて、今度は杏ちゃんが。

「チカオはさぁ、中学の時からそーいうところあったよ。相手の為なら自分が身を引く、みたいな」

「相手の為なら?」

「うん。だから今回のことも、チカオなりにはるはるのことを真剣に思った結果なんだろーね。遠距離恋愛してたら、どんなに想い合っていたとしても、寂しくなる時は必ずあるだろうから」

遠距離になったら寂しく……それは確かにそうかもしれない。会いたい時に、会えないのだから。
でもやっぱり、別れるなんて決断はしないでほしかった……。


自分だけで溜め込むなって言ってくれたのは、総介君でしょう?



「二人は……。好きな人がーー基紀君と堀君が、ある日突然いなくなっちゃったらどうする?」

私がそう聞くと、二人は「うーん」と首を傾げて、


その時になってみないと分からない、

と答えた。


それはそうだろう。
でも、私にとって〝その時〟はまさに今だ。
真剣に考えないといけない。
彼からの別れを受け入れるかどうかをーー。
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