切ない春も、君となら。

次の日も一日学校をサボった。また街で莉菜に会うのが怖くて、具合が悪いと言って部屋に引きこもっていた。

更に次の日は土曜日で、学校は休みだ。

そして今日は日曜日。
金曜日から閉めっぱなしのカーテンの隙間から眩しい光が差し込んでいる。カーテンを開ける気はないけど、おそらく今日は快晴だろう。

今日の午後六時が、莉菜との約束の時間。

金曜日からほとんどずっと部屋にいる。
風邪をうつすと悪いから、とか適当なことを言って、食事も家族と一緒には食べず、部屋まで妹に運んでもらっていた。
そんな私を、妹は若干不審に思っている様子だったけど、お母さんとお父さんは何も言ってこなかった。私のことなんか心配すらしていないと思う。


ベッドの中から動けない。
どうすればいいのか分からないから。


携帯を見れば、菜々ちゃん達から、木曜金曜と学校を欠席した私を心配したメッセージが何件か届いている。

木曜日から届いているそのメッセージ達は、とても嬉しく思うけど、返信は出来ていなかった。


総介君からの連絡は、まだ何もない。

友達をやめる訳じゃないって言っていたから、引越しの日程が決まったら連絡はくれるだろう……ってずっと思っていたけど、ここまで連絡が何もないということは、本当は、友達もやめたいと思っているのかもしれない。

このまま、私との思い出すら、全て、なかったことにしようとしているのかもしれない、と思った。


彼のことは責められない。
真面目な彼のことだ。もしそうだとしても、何か理由があってのことなんだろうと思うから。


……だけど。

だけど、やっぱり。

やっぱり酷いよと思ってしまう。
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