切ない春も、君となら。
「ねぇ……この髪、どうかな」
私の口から出たのは、そんな言葉だった。
「総介君のお陰で、私は変われたの。勇気を出して、金髪を黒髪に戻せた。そのことは、どうしても伝えたかった」
彼はしばらく無言で私を見つめていた。やがて目を細めて、少しだけ照れ臭そうに、
「凄く……可愛いと思う」
と言ってくれて。
「え、あ、かわ……? に、似合ってるかどうか聞きたかっただけなんだけど……」
「えっ、あっ⁉︎ じゃあ今のは忘れろ!」
総介君の顔は真っ赤だ。思わず笑みが溢れる。
忘れるなんて無理だよ。大好きな人に可愛いなんて言われたら。
「何笑ってんだ。ていうか」
突然、彼の右手が私にすっと伸びてきて、私の黒髪をわしわしと乱暴に掻き乱す。
「わっ、ちょっ⁉︎」
「似合ってはいるけど、逆に黒すぎ。真っ黒すぎるだろ」
「そ、それは仕方ない! 今日染めたばかりだし! 黒に染めるとしばらくは不自然なくらいに真っ黒になるの! だからやめてー」
彼の手が私の頭からすっと離れる。私は慌てて手ぐしで髪を直す。もう、一体何だったの。
少しだけ頬を膨らませて彼の顔を見た瞬間ーーぎゅ、っと。彼に抱き締められた。
「総、介く……?」
戸惑いながら彼の名前を口にすると、彼は私の耳元で、
「やっぱり、好きだ。別れたくない」
呟くように、でも確かに……そう言った。
私の口から出たのは、そんな言葉だった。
「総介君のお陰で、私は変われたの。勇気を出して、金髪を黒髪に戻せた。そのことは、どうしても伝えたかった」
彼はしばらく無言で私を見つめていた。やがて目を細めて、少しだけ照れ臭そうに、
「凄く……可愛いと思う」
と言ってくれて。
「え、あ、かわ……? に、似合ってるかどうか聞きたかっただけなんだけど……」
「えっ、あっ⁉︎ じゃあ今のは忘れろ!」
総介君の顔は真っ赤だ。思わず笑みが溢れる。
忘れるなんて無理だよ。大好きな人に可愛いなんて言われたら。
「何笑ってんだ。ていうか」
突然、彼の右手が私にすっと伸びてきて、私の黒髪をわしわしと乱暴に掻き乱す。
「わっ、ちょっ⁉︎」
「似合ってはいるけど、逆に黒すぎ。真っ黒すぎるだろ」
「そ、それは仕方ない! 今日染めたばかりだし! 黒に染めるとしばらくは不自然なくらいに真っ黒になるの! だからやめてー」
彼の手が私の頭からすっと離れる。私は慌てて手ぐしで髪を直す。もう、一体何だったの。
少しだけ頬を膨らませて彼の顔を見た瞬間ーーぎゅ、っと。彼に抱き締められた。
「総、介く……?」
戸惑いながら彼の名前を口にすると、彼は私の耳元で、
「やっぱり、好きだ。別れたくない」
呟くように、でも確かに……そう言った。