切ない春も、君となら。
そんな私のことを気に掛けてくれる先生もいた。

ある日、とある先生に職員室へ呼び出された。
黒髪でスカート丈も長くて地味な私が、多くの先生達から目を付けられている派手な莉菜達とつるんでいることに違和感を覚え、〝実はいじめられているのでは?〟と思ってくれたらしい。


だけど私は『大丈夫です』と答えることしか出来なかった。


この金髪は、それが理由だ。

莉菜達と見た目が不釣り合いだと、きっとまた同じ様に、莉菜達との関係性を疑われてしまう。


だから、莉菜と泉は私の髪を無理矢理この色に染め、制服も着崩す様に指示された。


私の突然の変化に、両親は酷くショックを受けていた。
無理やり黒髪に戻させようとはしてこなかったけど、私のことはどこか諦めた様に、妹ばかりを可愛がる様になった。
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