切ない春も、君となら。
そして、それを見た基紀君が固まる。
何も言わない彼を不思議に思ったのか、近田君と堀君も、基紀君の両隣から私の成績表を覗き込む。
そして、二人は声を揃えて
「学年一位⁉︎」
と驚いた。
「そうだよー。私、頑張ったんだから!」
元々勉強は嫌いじゃないけど、高校生活で最初の中間テストで良いスタートダッシュが切れる様に夜遅くまでテスト勉強を頑張った!
堀君は「そうなんだ。凄いね」と褒めてくれるけど、基紀君は「春日は絶対アホだと思ってたから何かショックだ……」と失礼極まりないことを言っている。
そして近田君は。
「ち、近田君?」
無言で、無表情で、私の手元をじっと見つめるのみ。
名前を呼ぶと、ようやく「それ、嫌じゃなかったらちょっと見せてもらってもいい?」と聞いてきた。
それ、というのは成績表のことかな? さっきからこれ見られてる気がするし。
いいよ、と答えると、彼は私の隣に立ち、突然時間距離まで詰めてくる。
ドッキン、と心臓が痛い位に跳ねる。
ど、どういうこと⁉︎ 何、この距離⁉︎
基紀君と堀君も驚いた顔でこっちを見てる。
近田君だって恥ずかしがり屋で照れ屋な性格なのに! 何で突然こんなーー
「……数学と化学は俺の方が上だな。やっぱ英語か……あとは……」
ん?
彼は私の隣で、何やら分析を始めた。
どうやらただ単に、次回の期末テスト対策の為に私の点数を知りたかっただけの様だ。
照れ屋な彼がこの至近距離を気にしないのは、今彼に見えているのが私ではなく、私の成績表だけだからね……。
「ち、近田君は何位だったの?」
「クラスで三位。学年で四位。でも次回は一位狙ってるから」
私の質問にそう答える時も、目線は成績表。
もう! 私のことはこんなに緊張させておいて、こんなの酷いよ!
近田君、私のこと天然って言ってたけど、自分だってそうなんじゃないの⁉︎
しばらくして、近田君は私から離れた。
ほっとした様な、ちょっとだけ残念な様な……。
何も言わない彼を不思議に思ったのか、近田君と堀君も、基紀君の両隣から私の成績表を覗き込む。
そして、二人は声を揃えて
「学年一位⁉︎」
と驚いた。
「そうだよー。私、頑張ったんだから!」
元々勉強は嫌いじゃないけど、高校生活で最初の中間テストで良いスタートダッシュが切れる様に夜遅くまでテスト勉強を頑張った!
堀君は「そうなんだ。凄いね」と褒めてくれるけど、基紀君は「春日は絶対アホだと思ってたから何かショックだ……」と失礼極まりないことを言っている。
そして近田君は。
「ち、近田君?」
無言で、無表情で、私の手元をじっと見つめるのみ。
名前を呼ぶと、ようやく「それ、嫌じゃなかったらちょっと見せてもらってもいい?」と聞いてきた。
それ、というのは成績表のことかな? さっきからこれ見られてる気がするし。
いいよ、と答えると、彼は私の隣に立ち、突然時間距離まで詰めてくる。
ドッキン、と心臓が痛い位に跳ねる。
ど、どういうこと⁉︎ 何、この距離⁉︎
基紀君と堀君も驚いた顔でこっちを見てる。
近田君だって恥ずかしがり屋で照れ屋な性格なのに! 何で突然こんなーー
「……数学と化学は俺の方が上だな。やっぱ英語か……あとは……」
ん?
彼は私の隣で、何やら分析を始めた。
どうやらただ単に、次回の期末テスト対策の為に私の点数を知りたかっただけの様だ。
照れ屋な彼がこの至近距離を気にしないのは、今彼に見えているのが私ではなく、私の成績表だけだからね……。
「ち、近田君は何位だったの?」
「クラスで三位。学年で四位。でも次回は一位狙ってるから」
私の質問にそう答える時も、目線は成績表。
もう! 私のことはこんなに緊張させておいて、こんなの酷いよ!
近田君、私のこと天然って言ってたけど、自分だってそうなんじゃないの⁉︎
しばらくして、近田君は私から離れた。
ほっとした様な、ちょっとだけ残念な様な……。