孤独な死神
『こんにちは。お客さん。今日はどんなご用で?』

にこにことフードの下で笑いながらパソコンに書き込んだものを見せた。

死音は誰にも分からない。正体も声も容姿も何もかも秘密なのだ。

唯一知っているのはこの裏組織の仲間で僕のお気に入り達。

それ以外は僕の事を知らない。

誰にも知らない誰にもバレない。それが死音。

「ええ。死音さん。こんにちは。今回は本業である情報を集めて、売っていただきたい。お金は前金でこれくらい」

お客は手で2と示した。これは200万。

「報酬はこれくらいでどうでしょうか?」

手で1と0を示す。これは1000万という意味だ。
ふむ。それほどその情報を買いたいのか。

まぁ受けてもいいだろうね。どうせ
. . . . . . . . . . . . . . .
既にその情報は僕の手の内にある
. . . .
んだから。


『いいよ。常連さんだし特別にその価格で受けてあげる。』

本来はもう少しお勉強させるんだけど、今回は特別。

「そうですか。嬉しいですな。」

『いえいえ。これからもご贔屓お願いしますね』

「はい。もちろんのことです。それでですな、今回探っていただきたい情報は[空之]財閥の闇についてです。頼めますかな?」

『空之財閥ですね。了解しました。一週間たったらまたきて下さいな。その頃には情報集めときますんで。』

まぁもうもってるんだけど。

「おお!流石死音さんですな。No.1の情報屋。素晴らしい腕前ですな」

『いえいえ。では。また一週間後に1人でお越し下さい。』

「分かりました。よろしく頼みましたぞ」

そう言ってお客は帰っていった。

さっきのお客は警視庁長官。警視庁のトップだ。
警視庁も僕ら裏の奴らに手を貸して貰う。僕らも僕らで警視庁という表のトップがバックにつく。

つまりwin-winなのさ。


さて、明日の転入に向けて一眠りしますかね。



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