孤独な死神
僕の周りの人達は二限目が終わっても来ない。
どこで溜まってるんだか……

「暇なんだよね~」

教科書をしまいながら呟く。
僕の周りに厚化粧で香水臭い女子が集まっている。
でも一限目の休み時間の時よりかはマシ。
一限目が終わった時は酷かった。女子達が机の周りを占領して僕の話を聞きたがる。質問攻めにされてすごく鬱陶しかった。

確かに、この時期に転校生が来てその転校生がイケメンで可愛かったら気になるのは分かるけど。
予鈴がなっても自分の席に戻らず。転入初日なのにサボろうとか言ってきてうざかった。

僕が怒らずニコニコと対応するから余計女子が寄ってくるのは分かっていたけど、それでもうざい。
もういいや、無視しよ


消えればいいのに



あと、女子に人気な所為で他の男子から嫌われてるんだよね。
ぽっと出の転校生に女子を取られて嫉妬してるのは分かってるんだけど、うざい。
こりゃ昼休みとか呼び出されそうだ。

「如月君ってぇ、どこ住み?今度の休みさぁ皆で遊びにいかなぁい?」

(あわよくば家特定したい)

「如月君の歓迎パーティー開こうよぉ!あ、会場は私の家でいいよぉ。お酒も出るよ~」

(酒に薬盛って一発ヤりたい)

「ね、如月君って彼女いるのぉ?いないならぁ、私とかどうかな」

(彼女になってみんなにチヤホヤされたい)

「ちょっとぉ!里菜ったら抜け駆けはダメよ!」

(抜け駆けすんなクソビッチ)

と、まぁこんな感じかな。心の中は。



醜い争いを繰り広げる女子を無視してヘッドフォンをつけて音楽を流す。


あーあ。はやく来ないかなぁ、風雅の幹部達
そしたらこの退屈も紛らわせる事が出来るのに
なおも水面下で醜い争いを続ける女子達をチラリと見て、溜め息をついた。

暇、だなぁ
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