ラブソング -詩-
「あ、チャーハン来たぞ。食って早く書け」

「チャーハンいらない。今すぐ書きたくなったから」

「え?」

「書けるよ。すごく良い詞が書ける気がする」


なんか嫌な予感もする。
だけど書き始めたマサフミを止めることなんて誰にもできない。

俺は違う部屋に飯を運んで一人で食べる。

適当に時間をつぶしたり、軽く仕事をしたりしながらマサフミの作業が終わるのを3時間弱待った。


「まっちゃん?」

「お、終わったか」

「うん」


マサフミが俺に詞を渡す。
ただのラブソング。
でも俺は、すぐに気が付いた。


「お前、これ…」

「これのせいで結構、遅くなった。でも、まっちゃんと恵子さんなら気が付くようにした」

「俺のプロポーズをお前が決めるなよ」


ははっ、と笑ってマサフミは「腹減った~」と叫ぶ。

ただのラブソング。
でも、当事者にしか分らない秘密の暗号。



『忙しいから電話もメールもあまりできないから』

『分かった』

と、うなずく君を
一生大切にしようと




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