ラブソング -詩-
『その変わり、記念日にはバラの花束を準備するから』
嬉しそうにうなずく君に
寂しい思いばかりさせてきた君に
なんの記念日でもない明日、大切な日になるように
バラの花束と指輪を持って君に会いに行く
明日が
僕らの大切な記念日になるように
俺は詞を読み終え、少し感情的になっている。
「…マサ、ありがとう」
「なんで感謝?」
「今、ちょっと泣きそう」
「これは未来を予想した、俺からの結婚祝いだからね」
涙をこらえるために、俺は軽くマサフミに毒を吐いてみる。
「てか、なんで指輪持ってること知ってんだよ」
「カバンの中、見ちゃった」
「…お前、ふざけんなよ」
「いつプロポーズするか知らないけど頑張ってね」
「うるさい」
プロポーズはこれが発売されてから。
マサフミにわがままを言って、CDにちょっとしたシカケをすることになった。
ただこの世界で「それ」に気が付くのは恵子だけだ。