ラブソング -詩-


-恵子サイド-



彼から連絡が来なくなって、一週間が過ぎた。

何かあったんじゃないかと、心配するからメールくらいはしてと頼んだら二つ返事でOKしてくれたのに、その約束が守られたことは一度もない。


「ユウタの馬鹿野郎」


悪態をついても、ただ空しいだけ。


「恵?」

「え、」

「何唸ってんの、うるさい」

「だって…」


便りが無いのは元気な証、なんていつの時代の話しなの?

便りがないから、不安で不安で…
結局、自分がユウタを信じきれてないのが浮き彫りになって嫌になる。


「メールすれば?」

「無視られる」

「電話は?」

「直留守。着拒にされてるのかと一瞬思ったくらい」

「…会いには行かないの?」

「マサフミ君、レコーディングと作詞とかでスタジオに籠ってて、ユウタもそれに付き合ってるから会うのは無理」

「言い訳はたくさんあるのにね」


親友の由里。
私にダメ出しをしまくるこいつは、とっても幸せな結婚生活を送っている。
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