ラブソング -詩-
マサ君が私と同じように、その曲を口ずさむ。


「マサ君、うるさい。せっかく気持ち良く聞いてたのにヒドい~」

「うるさいって、お前なぁ」

「お前って誰ですかぁ?」


私のこの返しがウザかったのか、マサ君が軽くため息をつく。


「何なんだよ」

「私の気分を害した罰だね」


ベーッとマサ君に向って軽く威嚇する。


「咲子、お前なぁ、だいたいなんでCDなんだよ」

「え?」

「普通口ずさんだら喜ぶ所じゃないの?」

「普通ならね」

「…CDの方が良い?てか、本人が口ずさんで「うるさい」って言われるのってどうなわけ…」

「ははっ」


私は、マサ君の方を向くのを止めて前を見る。

マサ君は最近、流行っているこのラブソングを歌っている歌手。

というか、シンガーソングライター。
中々売れてたりしてます。


「だいたい、この曲はお前のなの。なのにまっちゃんに見つかって発売だぜ?」


まっちゃんとは、マサ君のマネジャーだ。
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