ラブソング -詩-
「マサフミさん、彼女っていうか奥さんが大好きなんだって」

「いきなりなんだよ」

「アッ君は私が好き?」

「アッ君て呼ぶな」

「ねぇ」

「うるせぇよ」


挙げ句、睨まれる。
そこに「愛」はあるの?


「アキラは、マサフミさん好き?」

「好きだけど。てか、俺が好きなの知ってるだろ?」

「…愛してると歌えば愛してると笑ってくれる。こんな幸せな日々の中で、そんな愛してるを君の一番近くで聞ける、それが俺の日常になっていく」


私はものすごく重いと思う。
私がアキラを好きな分だけ、好きでいて欲しいと願って。

拒否られて、傷付いて、それでもアキラしか見えないバカな女。


「千衣、今日お前なんか変だぞ?」

「そうかな…」

「なんか情緒不安定?」


私はただ、アキラが好きすぎて辛いんだよ。

私が軽くため息をつくと、アキラは何を思ったのか携帯でマサフミさんのラブソングを流し始める。


「これ聞いて落ち着けよ」

「え、」


アキラが私の頭を撫でる。
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