ワンダートリップ
第1章

捨てられた少女の世界




「どうしてあんたはこんな子なの!!!?」



パシンッ!!



「きゃっ!!」


私は急にお母さんに頬を引っぱたかれ、頬に手を当てる。


「どうしてあんたは万引きもできないの!!?」


お母さんは数時間前に私にデパートな高級アクセサリーを万引きして来いと無理矢理外出させ、どうしてもできなかった私はとぼとぼと家に帰ってきてたった今ひっぱたかれたのだ。


「そんなっ…!!万引きなんて悪いこと、私にはできないよ!!!」



涙を流しながらも狂っているお母さんに反論する。


だが。


「言い訳なんて聞きたくないわ!!!」


パチンッ!


と、また私の頬をを叩く。


「お姉ちゃんっ…!!!」


妹の美月が泣きながらお母さんを止めようとするが、あまりにもお母さんが恐くて、手が出せないでいる。


「助けたい…でも、怖い…!!!」


美月はただただ泣いているだけだった。


「お父さんが亡くなったのも全部あんたのせいよ…!!これからは私と美月で生きていくわ…。」


そう、お父さんは先週、仕事の帰りに交通事故で亡くなってしまった。


それも、翌日に控えていた私の誕生日プレゼントを買うために雑貨店による最中に…。


私自身もこんな事態になるのなら、誕生日プレゼントなんてどうでもよかったと後悔している。


それでお母さんも私をすごく恨んでいて、毎日、お酒ばかりを飲み、何かあれば私に暴力を振るってきたりと、精神的にも狂ってきていた。


そんなお母さんのこれまでの行為を脳裏に思い浮かべた時にふとお母さんまた一言告げてきた。


「もう、うんざりよ‼出て行って‼荷物も全部っ…まとめて!!!」


私はついに捨てられた。


あぁ…私はもう居場所さえも奪われてしまったんだ…。


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