「白王子」と「黒王子」~本当の王子はどっち?~
Chapter one☆彡

平凡な毎日

いつもどおりの朝。

「おっはよー!!」

「おはよ!朝から元気だねぇ。」

「まあね!元気が取り柄だからね!!」

私、七瀬春奈は今日も元気に学校へ登校中。

隣にいるのは幼馴染の桜井由香理。

くりっとしてるパッチリな目がすごく羨ましい。

肩までの髪の長さでその髪はさらさら。

まるで女の子みたい。

…女の子です。

由香理とはもう10年以上の付き合いだから相談などもいろいろしている。

「ねぇ、由香理ぃぃぃ。」

「なに?」

「…彼氏ほしい。」

「そーだね。うちも欲しいわ。」

「それなぁ。」

由香理も私と同じで彼氏はいない。

でも、好きな人はいて…

「今日ね、晴人くんとデートするの!」

「うわぁぁいーなぁぁ。」

晴人くんとは同じ中学で、由香理が中3の時に好きなった相手だ。

晴人くんはものすごくイケメンでいつも笑顔。

男女問わず仲がいい。

由香理と晴人くん上手くいったらいいなぁ。

「えへへ、楽しみだなぁ。」

「そーだね、頑張ってね!!」

「うん!」

…好きな人ね。

ここ2、3年私には彼氏、ましてや好きな人が出来ない。

いい感じになった男子も何人かいたけど、恋愛対象に入るかと言われるとなんとなく違う気がした。

由香理には好きな人がいて、恋する乙女って感じでほんとに可愛い。

まあ、いつも可愛いけどさ。

恋したら可愛くなれるのかなぁ。

幼い頃、私が一番見ていたお話。

「シンデレラ」

舞踏会で踊るシンデレラと王子様を見て私にもいつかこんな素敵な王子様が現れるんじゃないかと本気で思っていた。

まあ、けど現実甘くないよね。うん。

「…私の王子様、いつ現れるの…」

「ん?どーしたの?」

「…あ、いや!なんでもないよ!」

今日もきっと何事もなく終わる。

神様どうか王子様と出会わせてください。

なんて願ったって現れないことくらい分かってるけどね。

でも、まさかあんなことになるなんて。

私はこの時何も知らなかった。
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