「白王子」と「黒王子」~本当の王子はどっち?~
白王子
ある日。
「皆さん。今日は転校生を紹介します。…では長谷部入ってきなさい。」
─ガラガラ
長谷部と呼ばれたその子は教室に入ってきた。
その瞬間…
「きゃぁぁあ!!何このイケメン!」
「やば、めっちゃかっこいい!!」
女子達の黄色い声が上がった。
でもそのはず。
こんなイケメンこんな世界にいるんだね。
高身長で二重で鼻が高くてスラっとしている。
おまけにあんなに騒がれてるのに嫌な顔せずにこにこしている。
やば。完璧な人だ。
「静かにしなさい。では長谷部。自己紹介をしなさい。」
「はい。長谷部祐です。父の勤め先の関係でここに引っ越したので、いろいろ教えてくれたりしたらうれしいです。みんなよろしく!」
─ドキッ。
うわ、その笑顔は反則だよ。
初対面相手にドキってしちゃった。
きっと前の学校でもモテてたんだろうな。
「では、長谷部の席なんだが…お、七瀬の隣空いてるよな。」
「え。あ、はい。」
「じゃあ、長谷部。七瀬の隣だ。」
「分かりました。」
そう言うとこちらに向かって歩いてくる。
うわぁぁ。
歩くだけでもかっこいいよ。
ほら、みんな見ちゃってるよ。
そりゃあそうか。
「七瀬さん…だっけ?」
「え、あ、うん!私、七瀬春奈です!よろしくね!」
「おう!よろしくな!」
─ドキッ。
ほんと心臓に悪いなぁ。
「それでは授業始めるぞー」
─放課後。
「気をつけ!礼!」
「さようならー」
学級委員長の号令で部活に行こうとする生徒と帰ろうとする生徒とバラバラになった。
「あ、あの七瀬さん!」
「え?」
振り返ってみるとそこには長谷部くんがいた。
「またね!」
ニコッとそう言った。
その笑顔はきっと誰もがイチコロだよね。
「え、あ、うん!またね!」
「おう!」
「あ、ねぇ長谷部くん!」
「ん?」
その首を傾げる仕草さえかっこよく見える。
「あ、あのさ、七瀬さんじゃなくて春奈でいーよ。」
「…え?」
「あ、いや。あのみんなが春奈って呼ぶからその、七瀬さんってなんか。ね。」
「…そっか。わかった。」
「これから俺、春奈って呼ぶわ。」
「うん!」
「その代わりさ、」
「ん?」
「俺のことも祐って呼んでいーよ。」
「え。」
「あ、いや。やだったらいーよ。」
「いや、ううん!りょーかい。祐!」
「…っ」
ん?今顔が赤くなって見えたのは気のせい?
「どーしたの?熱でもあるの?」
「…ほんと鈍感だな…」
「え?」
「こっちの話。じゃあな。」
「う、うん!」
何だったんだろう。
「ちょっとー、白王子と何話してたのよー。」
クラスの女子の一人が話しかけてきた。
「ん?白王子?」
「え、知らないの?祐くんのこと!」
「白王子かぁ。」
確かに言われてもしっくりくるよ。
あのルックスととびきりの笑顔で何人のも女子をとりこにさせそう。
「で?何話してたの?」
「ないしょ!」
「もう!教えてよー」
長谷部…祐との間に秘密ができたみたいでこのことは誰にも言いたくなかった。
なんでだろう?
「春奈!帰るよ!」
気がつけばドアの所に由香理が立っていた。
「早くしないとおいていくよー?」
「うわぁぁあ!まってよぉぉ!!」
急いで支度をして由香理のもとへ行く。
─帰り道。
「白王子のこと知ってる?」
私は突然そう言った。
すると、
「もちろん!かっこいいよね!」
「うん!だよね!」
同じクラスでない人たちにまで知られちゃってるんだ。
…ん?あれ?
「…ってゆーか、なんで白王子なんだろうね?」
そうだよ。王子でも別に悪くないよね。
「え、知らないの?」
「なにが?」
「もう一人の王子と区別するためよ。性格が真反対だからねぇ。」
そのもう一人の王子とは…
「黒王子よ。」
「皆さん。今日は転校生を紹介します。…では長谷部入ってきなさい。」
─ガラガラ
長谷部と呼ばれたその子は教室に入ってきた。
その瞬間…
「きゃぁぁあ!!何このイケメン!」
「やば、めっちゃかっこいい!!」
女子達の黄色い声が上がった。
でもそのはず。
こんなイケメンこんな世界にいるんだね。
高身長で二重で鼻が高くてスラっとしている。
おまけにあんなに騒がれてるのに嫌な顔せずにこにこしている。
やば。完璧な人だ。
「静かにしなさい。では長谷部。自己紹介をしなさい。」
「はい。長谷部祐です。父の勤め先の関係でここに引っ越したので、いろいろ教えてくれたりしたらうれしいです。みんなよろしく!」
─ドキッ。
うわ、その笑顔は反則だよ。
初対面相手にドキってしちゃった。
きっと前の学校でもモテてたんだろうな。
「では、長谷部の席なんだが…お、七瀬の隣空いてるよな。」
「え。あ、はい。」
「じゃあ、長谷部。七瀬の隣だ。」
「分かりました。」
そう言うとこちらに向かって歩いてくる。
うわぁぁ。
歩くだけでもかっこいいよ。
ほら、みんな見ちゃってるよ。
そりゃあそうか。
「七瀬さん…だっけ?」
「え、あ、うん!私、七瀬春奈です!よろしくね!」
「おう!よろしくな!」
─ドキッ。
ほんと心臓に悪いなぁ。
「それでは授業始めるぞー」
─放課後。
「気をつけ!礼!」
「さようならー」
学級委員長の号令で部活に行こうとする生徒と帰ろうとする生徒とバラバラになった。
「あ、あの七瀬さん!」
「え?」
振り返ってみるとそこには長谷部くんがいた。
「またね!」
ニコッとそう言った。
その笑顔はきっと誰もがイチコロだよね。
「え、あ、うん!またね!」
「おう!」
「あ、ねぇ長谷部くん!」
「ん?」
その首を傾げる仕草さえかっこよく見える。
「あ、あのさ、七瀬さんじゃなくて春奈でいーよ。」
「…え?」
「あ、いや。あのみんなが春奈って呼ぶからその、七瀬さんってなんか。ね。」
「…そっか。わかった。」
「これから俺、春奈って呼ぶわ。」
「うん!」
「その代わりさ、」
「ん?」
「俺のことも祐って呼んでいーよ。」
「え。」
「あ、いや。やだったらいーよ。」
「いや、ううん!りょーかい。祐!」
「…っ」
ん?今顔が赤くなって見えたのは気のせい?
「どーしたの?熱でもあるの?」
「…ほんと鈍感だな…」
「え?」
「こっちの話。じゃあな。」
「う、うん!」
何だったんだろう。
「ちょっとー、白王子と何話してたのよー。」
クラスの女子の一人が話しかけてきた。
「ん?白王子?」
「え、知らないの?祐くんのこと!」
「白王子かぁ。」
確かに言われてもしっくりくるよ。
あのルックスととびきりの笑顔で何人のも女子をとりこにさせそう。
「で?何話してたの?」
「ないしょ!」
「もう!教えてよー」
長谷部…祐との間に秘密ができたみたいでこのことは誰にも言いたくなかった。
なんでだろう?
「春奈!帰るよ!」
気がつけばドアの所に由香理が立っていた。
「早くしないとおいていくよー?」
「うわぁぁあ!まってよぉぉ!!」
急いで支度をして由香理のもとへ行く。
─帰り道。
「白王子のこと知ってる?」
私は突然そう言った。
すると、
「もちろん!かっこいいよね!」
「うん!だよね!」
同じクラスでない人たちにまで知られちゃってるんだ。
…ん?あれ?
「…ってゆーか、なんで白王子なんだろうね?」
そうだよ。王子でも別に悪くないよね。
「え、知らないの?」
「なにが?」
「もう一人の王子と区別するためよ。性格が真反対だからねぇ。」
そのもう一人の王子とは…
「黒王子よ。」