candy×candy
プロローグ
 ほんのり苦くて、丁度いい甘さがある。

そんな深い味の飴玉。

 五歳の頃から舐め続けてきたこの味から、私はもう離れることができない。


 あの日から、『飴屋さん』に出会ったあのときから。

 私は進んだようで、止まっていたのかもしれない。


 いや、進んでなんかいなかった。

 ほんとはずっと探してた。


 初恋の味を、教えてくれたあなたに。
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