またこの場所で…
そんなことを考えながら自分のノートに目を向けていると、ふいに俺を呼ぶ声が聞こえた。
「…楓月くん」
「ん、何?どっか分からないところあった?」
ノートから目を逸らさずに返事だけをする。
すると、声の主の顔が近づいてきた気配がしてそちらを見る。
「楓月くんは、美織と幼なじみなんだよね?」
「そうだけど…それがどうしたの?」
「……美織のこと、どう思ってるの?」
「……っ!ど、どうっていうのは…」
「好きか嫌いかで言えば?」
「……っ」
まさか、そこまで直球に聞いてこられるとは思っていなかった。
うまくはぐらかすことが出来ず、深いため息をつき、休憩を切り出してシャーペンを机の上に置く。
観念する。
誤魔化したって、俺の気持ちは察しがついているだろう春飛は逃げることを許さないだろうから。