またこの場所で…



「…好きだよ。ずっと前から。
この気持ちは再会してからも変わらない」

「…そっか……」

「美織に想いを伝えようとしないの?」

「この気持ちを美織に言う資格は俺にはないから。
俺は美織を傷つけた。
それなのにこの気持ちを言って、美織を困らせたくない」



意図して傷つけたわけじゃない。



それでも、あいつを傷つけたことは事実だろう。



傷つけた張本人が、これ以上あいつを困らせたり……ましてや、傷つけることなんてあってはいけない。



たとえそれが、俺の気持ちを伝えないという選択になったとしても。


< 102 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop