またこの場所で…
「…大丈夫?」
「あ、ありがと…」
咄嗟に腕を掴んで倒れそうになった体を支える。
あぶねぇ……
まあ、これで少しは落ち着いたっぽいな。
「落ち着いたところで本題に戻るけど…実際はどうなの?」
「…どうなのと言われても…」
少し考える素振りを見せた春飛。
しかし、思い出したように話し出したことに思わず微笑ましくなることになる。
「水泳大会の時ね、いつも緊張してうまくいかないことがほとんどだったのに妃波くんを見たら緊張なんてどっかいちゃって落ち着いて泳げたの。
なんだか不思議な人だなとは思ってるよ」
「…ふぅーん」
「な、なに…?」
「ん、いや初々しいなってね」
「初々しい…?」
「はい、休憩終わり。続きやるよ」