またこの場所で…
Place.4

名前《side一葉》




テストが無事に終わり、いよいよ夏休みに向けて浮き足立つこの時期。



私はいつものように放課後スイミングスクールで泳いで家に帰り、動かした筋肉をほぐすために寝る前のストレッチをしていた。



「この気持ちを美織に言う資格は俺にはないから。
俺は美織を傷つけた。
それなのにこの気持ちを言って、美織を困らせたくない」



楓月くんにテスト勉強を教えてもらってから、この言葉が頭の中によく浮かぶようになった。



部外者が踏み込んじゃいけないと分かってるけど、気になる。



美織にも何だか聞きづらいし。



恋愛経験のない私が恋の応援なんて最初から無理があるんだよね。



でも美織たちの応援したいし。


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