またこの場所で…

だって……



私の目の前にいたのは。



「ゆ、う……くん？」



その人は、私の幼なじみで、今でも密かに想いを寄せる初恋の人。



そして、小学校を卒業したすぐ後。


何も告げずに居なくなってしまった人。



「美織、知り合い？」

「う、うん。……私の幼なじみの、」



裕くんのことを幼なじみと紹介するのには、少し戸惑った。



久しぶりに再会した私たち。



あの日から今まで、ずっと仲良しだったのに連絡は１度も取っていなかった。



声変わりをしたことも知らない。



あんなに可愛らしい顔をしていた裕くんが、こんなに男の子らしく、かっこよくなっていたことなんて、全く知らなかった。



ましてや、またこの街に戻ってきて……



私と同じ高校に通ったいた事なんて。