またこの場所で…



放課後。



「…う、妃波くんどこ……」



居心地の悪い特進クラスに一人で妃波くんを探しにやって来た。



普通科と特進クラスで制服が違うからかなり目立つ。



周りの視線も痛いし……



まさかもう帰っちゃったとか言わないよね!?



「…一葉ちゃん?」

「…っ!」



また出直そうかと踵を返すと私の名前を呼ぶ救世主が現れた。



「楓月くん!」

「テスト勉強ぶりかな?特進(ここ)に何か用事?」

「あ、えっと…妃波くんいるかな?」

「…龍?」



恐る恐る聞くと楓月くんは廊下を見てから教室の中を覗いて探してくれた。



私が教室の中を見ると一気に注目を浴びるから見れなかったんだよね!



すごく助かる!



「あ、そういえばさっき先生に呼ばれて職員室行ってたな。
時間かかるだろうから美術室で待ってるといいよ」

「美術室……?」


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