またこの場所で…
「春飛だよ。
どうせ今日も美術室行くんだろ?」
「……そのつもりだったけど」
「だから、そこで待っとけって言っといたから」
「はぁ?」
めんどくさいという気持ちを隠すこともなく言うが、裕はさっさと帰る用意をしてしまう。
おそらく俺に待ち人がいると知らせるために残っていたのだろう。
勘弁してよ……
まあ、待ってろって言ってしまったなら仕方ない。
どうせ美術室には行く予定だったんだから。
そんなことを考えながら、俺は裕とわかれて美術室へ向かう。