またこの場所で…
出会い《side裕》
いつも一緒にいる龍が休んでいるから、一人で昼飯を食べて教室に戻る。
クラス内に龍以外の友達がいない訳では無いけど、あいつが一番気楽に一緒にいれるんだよな。
中学からの付き合いだからっていうのもあるんだろうけど。
「付いてきてね」
「もう、わかったから」
特進の廊下でヒソヒソと話す女生徒。
二人のうち一人には見覚えがあって、思わず名前を呼んだ。
「……美織?」
「……え?……っ」
俺の声に反応した美織は驚いたように目を見開いた。
それもそうか。
何も言わずに引っ越して、連絡もしてなかったしな。
「ゆ、う……くん?」
「美織、知り合い?」
「う、うん。……私の幼なじみの、」
美織と一緒にいたやつが美織に声をかけ、俺のことを紹介する。