またこの場所で…



幼馴染……か。



結構仲も良かったしな。



地元に戻ってきて、前の家の近くの高校に進学した。



美織に会えたらいいなとは思ってたけど、そんな都合のいいことなんて起こるわけなく、会えずじまいだった。



まさか、同じ学校の普通科に通ってたとはな。



普通科と特進科じゃ棟が違うから滅多な事じゃ会わねぇし仕方ないか。



「楓月裕(ふうづき ゆう)くん。
えっと……こっちは私の友達の春飛一葉ちゃん」

「一葉ちゃんって言うんだね。俺の名前は楓月……って今、美織が言ってたよね。よろしく、一葉ちゃん」

「春飛一葉です、よろしくお願いします」



丁寧に挨拶をされる。



「そんなかたくならないで?」



固っ苦しいのは好きではなくて、笑いながらそう言う。



少し驚いた様子の彼女は、美織になにかを耳打ちしていた。


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