またこの場所で…



「えっと……これ、落し物」



その言葉と共に差し出された生徒手帳。



「生徒手帳?……これ、龍のじゃん」



生徒手帳を受け取って、中を開いてみると今日は欠席している友人のもの。



「楓月くんの知り合い?」



黙ったままの美織の代わりに春飛が聞いてくる。



「あぁ。俺の友達だよ」

「じゃ、じゃあ……渡しといてっ」

「今日学校休んでるし、渡しとくよ。
なぁ、美織。これ、どこで拾ったんだ?」

「病院、だけど」



病院……。



あいつ、大丈夫かな。



そんなことを思ったけど、今考えることじゃないし明日にでも龍に聞けばいいと考えて心配を打ち消す。



「わかった。わざわざありがとな」

「……うん」



そのあと、普通に俺たちは午後の授業を受けた。


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