またこの場所で…



どう収拾つけようか考えていると同じ学年のスクールメイトの言葉に体が止まる。



「でもあっちの方って住宅街か廃れたバーか総合病院くらいしかないよ?」

「確かにー!客入ってるかすら分からないバーね」



確かにこのスイミングスクールを越えた先には住宅街や廃れたバー、あと総合病院がある。



妃波くんがそんなバーに行くわけないよね。



あの辺に家があるとか?



ここで思い出したのは美織がお婆ちゃんのお見舞いの帰りに妃波くんとぶつかって生徒手帳を拾ったこと。



もしかして妃波くん…病院に向かってるの?



確か美織のお婆ちゃんが入院してたのってあそこの病院だよね…?



美織みたいに誰かのお見舞いかな。



顎に手を添えて考えているといつの間にかみんなが私の周りに集まっていた。



「え…何これ…?」

「今日はとことん話してもらうからねお姉ちゃん!」

「白状しなよ一葉!」

「だから……違うってばーーーー!」



私は二花やスクールメイトから逃げるようにして1人プールに飛び込んだ。


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