またこの場所で…
「おはよ、美織!」
朝登校して早々、バシバシと私の背中を叩くその子は私の1番仲良しで、1番大切な春飛一葉(はるとび いちは)ちゃん。
「おはよう、一葉ちゃんっ。ちょっと痛いよ」
「あっ、ごめんごめん!」
一葉ちゃん、全然悪いと思ってないでしょ。絶対。
ごめんと言いつつも、笑っているもの。
「もう……」
そんな明るくて、サバサバしてて、でもとっても優しくて思いやりのある一葉ちゃんが、私は本当に大好きだ。
「そういえば昨日、お婆ちゃんのお見舞いに行ってきたんだよね?体調どうだった?」
仲良しな私たちは、放課後も一緒に帰ることが多いけれど、昨日はお母さんからお婆ちゃんのお見舞いを頼まれていたから、ごめんと断ったんだ。
私のお婆ちゃんのことは一葉ちゃんも知っていて、前に一度、一緒にお見舞いに行ったこともある。
「うん、最近良いみたいでね、近々退院できるって」
「そっか、よかったね!」
「うん、ありがと」
こういう優しさが、一葉ちゃんのとっても良いところ。