またこの場所で…
いい成績を取れた嬉しさなのか、また別のことなのか、ほんのり一葉ちゃんの頬が赤く染まっていたから。
これは、一葉ちゃんに聞き出してみないとね。
「……で?楓月くんとはどうだったのよ?」
裕くんと龍くんが話している間に、こそっと耳打ちしてきた一葉ちゃん。
「なっ!別に何も無かったよ」
「嘘だね」
「なんで、信じてくれないのー?」
「顔に嘘って書いてある」
……うそっ
そんなに私ってわかりやすい?
さっきも妃波くんに何か伝わったみたいだし。
急に恥ずかしくなって、顔を押さえた。
「でも、変わってなかったよ、裕くん」
背も高くて、声変わりをしてかっこいい男の子になった裕くん。
でも、意地悪なところも笑顔も優しさも全部。
全部、好きなところは何ひとつ変わらない。
やっぱり、裕くんは私の大好きな裕くんだった。