またこの場所で…
「わぁっ」
「ちょっと美織、大丈夫!?」
「いたたたたっ……あの、ごめんなさいって裕くん!?」
目的の席にしか意識が行っていなくて、前をしっかり見ていなかった。
「美織、また前見てなかったんでしょ?本当にどこか抜けてるから心配なんだけど」
「あはは、ごめんなさい……」
これは私が悪い。
「それで、ふたりで図書室に来てどうしたの?」
「一葉ちゃんとテスト勉強しようと思って、ね?」
「そうそう。うちら数学苦手だから一緒にやろうって話してて」
一葉ちゃんに続いて私も、うんうんと頷く。
そこで妃波くんが裕くんの後ろから姿を見せて、口を開いた。