またこの場所で…
「って、そんなことより!ぶつかっちゃった時にね、その人これ落としちゃったみたいで」
同時に昨日拾った生徒手帳を一葉ちゃんに見せる。
妃波くんの生徒手帳。
「これってうちの高校の生徒手帳じゃない。その人ってここの生徒なの?」
「うん、そうみたいでね?中見ちゃったんだけど、特進クラスの人みたいなの」
「名前とクラスわかってるんでしょ?届けに行けばいいじゃない」
うっ……
一葉ちゃんの言う通りだ。
同じ高校で、名前とクラスもわかってる。
もっと言えば、顔だって知っている。
だから、特進クラスに行って渡す、それだけでいい。
そんなことはわかってるんだけど……