またこの場所で…
「一葉ちゃん、あの……」
「ん?」
「特進クラス、一緒に付いてきてくださいっ!!」
私一人じゃ、不安なのっ!
だって、知らない人ばかりだし、特進クラスは私たちの通う普通科クラスとは別の棟で入ったことがない。
そんなところ、一人でなんて怖くていけないよ。
「本当、一生のお願い!この通り!!」
両手を胸の前で合わせて、必死にお願いする。
きっと、優しい一葉ちゃんだから、協力してくれるよね?
つぶっていた目を少し開けて一葉ちゃんの方を見てみると、はぁとため息をついて呆れ顔。
でも、仕方ないと笑って……
「美織にはかなわないよ。しょうがないから一緒に行ってあげる」
「ほ、本当!?ありがと、一葉ちゃんっ!大好きっ!!」
そう言って、ギュッと抱きついた。
「もー、苦しいってば!」
「えへへ、ごめんね?」
笑いながら謝る私は……
人のこと言えないかも。
そうして私たちは、昼休みに特進クラスに行くことになった。