またこの場所で…
「うぅ、ドキドキする……」
一葉ちゃんに付いてきてもらってはいるものの、この緊張のドキドキは治まらない。
それどころか、むしろ速くなっている気がする。
普通科クラスから特進クラスへは、1階の廊下で繋がっている。
その廊下を抜けた向こうは、未知の世界。
……っていうのは大袈裟かもしれないけれど。
「そんな緊張しなくても大丈夫だよ。特進クラスって言ったって同じ高校生なんだから」
「そうなんだけど」
わかってはいるけれど、緊張するものは仕方がない。
「もう、仕方ないなぁ」
「えっちょっ、わぁ」
体がカチコチになり、なかなか進まない私を見かねたのか、一葉ちゃんが私手を引いてグイグイと前へ進む。
それも何の躊躇もなく……