またこの場所で…
美織が慌てたのも気になるし、楓月くんの機嫌が少し悪くなったのも気になるし勉強に集中できないよ。
あ、美織と楓月くんと言えば美織は楓月くんのこと好きなんだよね。
美織の楓月くんへの声のトーンとか態度が他の男子生徒とは違うんだよね。
その肝心の楓月くんは美織のことどう思ってるんだろう。
………待てよ。
今美織は近くにいなくて、代わりに楓月くんがいる。
これは楓月くんの美織への気持ちを聞くチャンスじゃ……!?
そう思えば真っ先に口が開く。
「…楓月くん」
「ん、何?どっか分からないところあった?」
自分の勉強をしてる楓月くんはノートから目を逸らさずに返事だけする。
私は両手をテーブルについて楓月くんに顔を近付けた。
私が近付いたのが視界に入ったのか楓月くんは手を止めて私の方を向いた。