またこの場所で…
でも妃波くんといると不思議なことが起こる。
「水泳大会の時ね、いつも緊張してうまくいかないことがほとんどだったのに妃波くんを見たら緊張なんてどっかいちゃって落ち着いて泳げたの。
なんだか不思議な人だなとは思ってるよ」
それに妃波くんに触れられたところはずっと熱くて、ドキドキがしばらく治まらなかった。
さっきはとっさに楓月くんが私の手を掴んだけど、そんな感じなかったな。
…なんでだろう。
「…ふぅーん」
「な、なに…?」
「ん、いや初々しいなってね」
「初々しい…?」
「はい、休憩終わり。続きやるよ」
強制的にこの話は終わり、楓月くんによる講義がまた始まった。
教えてもらいながら楓月くんに聞かれたことをずっと考えていた。
妃波くんのことが好きかどうか…
どうしてそう言われて納得しそうになってる自分がいるんだろう。