☆秘密の総長様☆
「とにかく、逃げるぞ」


美羽を連れてのケンカは難しい。


走っても走っても追いかけてくる不良達。


10人、20人はいる。


公園に逃げ込み、一息つくと男達の声がする。


「美羽ちゃーん、お兄さん達と遊びましょう」


怖いーーー


ガタガタ震える体を、誰かが優しく抱き締めた。


それは、想くんで。



「美羽、俺は、守りたかった。


だけど、俺は、総長で俺が先頭切らなきゃいけない。


真、美羽を頼んだ」



やだ、行かないで。


あんなたくさんの不良がいる場所行かないで、一緒に逃げよう、と言いたい。


だけど、言えなかった。


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