十二月の初恋戦争


それからしばらく歩いていると、住宅街はすっかり田園風景へとその姿を変えていた。


アスファルトもいつのまにか砂利道になっていた。



目的地はもう近い。



それにしても、いつ来てもここには何もないな、と思う。本当に何もない。



どこを見渡しても、ただ大自然だけが広がっている。



都会の人が見たらさぞ驚くことだろう。



これが本当に町なのか、と。



そろそろ天鈴町から天鈴村に名前を変更した方がいいんじゃないか、と僕は思う。


< 3 / 6 >

この作品をシェア

pagetop