北欧の死神~死刑執行人~
少年side
「…次の角を左だ」
「ああ、分かった」
俺は今、女と夜の路地を歩いている
国の奴らなんて信用ならねえがこいつは信じてもいいと直感が告げていた
優とは、結構仲がいいと思っている
年は5歳ほど離れているが、別グループでも食べ物を分け合ったりして助け合ったものだ
優が大怪我をしたという話はすぐに伝わってきた
あの髪と目…あいつはちょっとした有名人だからな
知らせを聞いたときはショックだった
だが、俺らの世界はこんなものが当たり前だ
いつまでも悲しんでなんかいられない
この国を作った政府や王は憎んでも憎み切れねえ
前を歩いているこいつも政府側だろう
だが、優の姉貴なのは間違いない何よりも見た目だ