秘密ゲーム
それからの私は、

自分のクラスのことと、

七海のクラスのことと2つのことを抱えながらバタバタとした学校生活を送っていった。

七海のクラスに入ると、

予想より遥かに超えた進みの遅さに驚いた。

坂口 渚とその周りの男子達は教室の後ろの方でいつも遊んでいる。

それに、口が悪い。

「おい。邪魔だぞおめーら。」

とか、

「何してんだよ。どけよ。殺すぞ。」

とか………

もううんざりなので、

その言葉に抵抗する気力もない。

だから私達は従うしか無いのだ。

しかし、家に帰ってくるとパソコンの前で座り、ゲームをする。

それだけで疲れが一気に無くなるのだ。

リア凸をすると決めてから一段とみんなと仲良くなった。

この調子ならリア凸も上手くいくかも!

そう思いながら、毎日を過ごしていった。

体育祭1週間前の日曜日。

リア凸当日だ。

この日のために、少し体重を気にしてダイエットをしたり、あまり興味のなかったファッション雑誌を買ってみたり、いろんなことに挑戦した。

慣れないことにも苦戦しながらも、リア凸の日を楽しみにしていた。

集合場所は名古屋駅前。

私は案外近くだったので、歩いてきた。

集合時間より10分前に来てしまったが、人が多くて誰がどこにいるかさっぱりだ。

顔も知らない相手と待ち合わせなんてやっぱり無理だな…

諦めかけた時、LINEがきた。

「名古屋駅着いたけど誰かついてる?」

稀綸からだった。

「私まだ電車の中ー」

「僕もまだ着いてない。」

きびさんとゆまゆまはまだ着てないようだ。

「私は着いてるよ!」

私はすぐに送った。

「どこにいる?今俺、改札の近く。」

「私もその辺りにいるよ」

ちゃんと会えるかな。急に不安と緊張が込み上げてきた。
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