秘密ゲーム
「すいません。」

「はいっ!」

急に声をかけられたので驚いて少し声が裏返ってしまった。

「珀ですか?」

「はい!そうです……け…ど………」

振り向くと見覚えのある姿。

長身でスラットしていて、少しくせっ毛。顔がいい方。

坂口…まさか…違うよね。

考えすぎかな。似てる人だよね。

あまり目立たない感じの黒い服だが、ネックレスを付けていてちゃんとおしゃれをしている。

正直に言おう。イケメンだ。

「はじめまして!俺、稀綸です!」

「珀です!よろしくお願いします。」

「あの………どこかでお会いしたことはありますか?」

その男が少し不安気に聞いてきた。

私はビックリして少し戸惑いながらも答えた。

「気のせいじゃないですか……?」

「そ……そうだよね!あはは!ごめん!いきなり!!」

「いえいえ!」

坂口 渚とは真逆の性格。とても優しそうで、大人っぽい。

やっぱり人違いかな。

しばらくすると2人からLINEがきた。

「名古屋駅着いたよー!」

ゆまゆまからだ。

「私と稀綸は会えたよー!」

と送ると、

「え?どこどこ?2人きりってことなんだよね?リア充探せばいいのかな??」

とゆまゆまから返ってきた。

「ゆまゆま会ったら1発殴ろうか?」

稀綸がゆまゆまに返すと、声をかけられた。

「あの、すいません。珀と稀綸ですか?」

不安そうな声が後ろから聞こえた。

振り返ると身長が低めでとても可愛らしい。

「ゆまゆまですか?」

「はい!珀と稀綸?!本物だ!」

ゆまゆまは笑顔になり嬉しそうに言った。

「ゆまゆま?さっきのはどういう事かな?」

稀綸がゆまゆまの頭を掴む。

「ごめんなさい!ごめんなさい!冗談ですからぁ!」

「まぁ知ってるけどね」

そう言いながらパッと手を離すとゆまゆまは安心した表情を見せた。

「ゆまゆまは変わらないなぁ。もっと本当は大人しい人かと思った。」

「珀は意外と大人っぽいね!すんごい可愛いのは予想通り!」

「ゆまゆまだって可愛いよ!」

ゆまゆまはとても妹みたいで可愛らしい。それに人懐っこい感じで、とても親しみやすい。

3人で雑談しているとLINEがきた。

「遅くなってごめん!今ついた。」

「遅いぞ!きびさん早く!」

稀綸が急かすように送った。

すると、

「す…………すいませんが…き………稀綸さんたち………ですか……?」
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