秘密ゲーム
買い物を終え、駅に戻ってきた私達。

「いやー!めっちゃ楽しかったね!

珀も可愛かったし!

会えてよかった!」

ゆまゆまが満足気に言った。

「また、みんなで予定合わせて会おう。次はここ以外のところでね」

きびさんは最初のオドオドした感じとは違い、とても堂々とした感じになっていた。

「そうだね!じゃあまたゲームの世界で会おうね!」

「じゃあまたね!」

ゆまゆまときびさんは改札を潜った。

稀綸は「行こうか」と言いながら帰ろうとした時。

「あれ?こっちの方向なの?」

「そうだけど、まさか珀も?」

「同じだね!じゃあ近くまで一緒かも?なんてね!」

「もしかして意外と近所だったりね」

私と稀綸は途中まで一緒に帰ることにした。

方向が同じだけど、いつか別れるだろうと思っていた。

しかし。

「稀綸、本当にこっちなの?」

「珀も?こっちなの?」

「い…一緒だね…行こっか……」

「そ………そうだね!」

駅から近く感じていた自分の家がとても遠く感じる。

稀綸とずっと一緒なのはおかしい。

まさか、本当に坂口 渚って………

「あのさ…珀」

「はい!何でしょうか!!」

「もしかしてだけどさ……家って…ここ?」

気がつくと『宮本』と書かれたプレートが見えた。

「そう………だね……着いちゃった!」

「近いね。俺の家は隣の隣なんだよね。」

「え……?本当にご近所さん………だった……………」

私はビックリして少しも動くことが出来なかった。

「まさか…………あの……坂口……さんって……」

「俺のこと?かな?」
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