屋上から、夕焼け

とりあえず、だ。
私は死なないということだけ、心の中で宣言しておこう。

みんなの前で宣言する必要はない。
みんなは私の気持ちなんてどうでもいいようだし、もしどうでもよくなかったんだとしても、人の気持ちなんてちょっとも知らないくらいの方が人生面白いでしょう。

あの時、屋上に立ったあの時は、死のうと思っていた。

ふと、見つけたあの赤さを、私は絶対に忘れない。

どうせ死ぬつもりだったんだ、捨て身でもちょっと生きたってバチは当たらないでしょ。

願わくば、人より長く生きて、知らないことをたくさん埋め尽くすように、生きたい。
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