恋ふうせん
「俺は来月頭には行かなくちゃなんないけど、隆太や航太のこともあるし、もちろん、お前の職場のこともあるから、しばらくは単身赴任になるかな。」

「単身赴任?」

あ、そっか。

色々こっちでしないといけないことあるから、そうすぐには移れないもんね。

ということは、旦那不在の期間がしばらくあるわけで、私が自由な時間を持てるわけで。

いや、いや、そんな不謹慎なことを考えちゃだめだめ!

あまりに急な旦那からの転勤話。

なんだか、ふわふわ宙に浮いてるような、今ひとつ実感がない中でそんなことをぼんやり考えながら、湯船につかっていた。
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