恋ふうせん
「北海道に引越して落ち着いたら、絶対遊びに来てよ。そしたら、近くに温泉もあるだろうから一緒にいこ!」

「あーん。そうだね。そういう手もあったかー。でも、ショックー。寂しなるわ。」

智子はコーヒーを一口飲んだ。

「あとね。もう一つがね、智子が度肝抜くようなことなんだけど。」

智子の目がパッと見開く。

私は白井さんとのことをかいつまんで話した。

私の気持ちがかなり白井さんに揺れてるってことも。

智子は、短いため息をついて、トーストをお皿に置いた。

「やっぱ、そんなことだろうなーって思ってん。だって、会った瞬間に、あんたの顔がなんかキラキラしてて、すっごいきれいだったんだもん。あり得ないってね。」

「すみませんねー、あり得なくって。」

私は少し笑いながら水を飲んだ。
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