恋ふうせん
「そうやって、近づけば近づくほど、幸せになれると思ってたのに、全く逆。幸せってどういう状態が幸せなん?って自分でもわからなくなってしまうほどに、のめりこんで。しまいには、半狂乱で彼に「離婚して、私と一緒になってくれへんのやったら死んでやる!」なんて叫んじゃったりして。あー、もうこれはあかんな、って。その時の彼の寂しそうな、でいて冷ややかな目を見た時思って、それっきり。あかんねん。やっぱり家庭を持ってる人って。家族には絶対かなわへんし、例えそれを壊して一緒になったとしても幸せにはなられへんのよ。」

聞いているうちに、なんだか胸が締め付けられて涙があふれてきた。
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