恋ふうせん
白井さんは、店員さんを呼ぶと、

「咲さんはもう頼まれましたか?」

といつものように優しい口調で聞いてきた。

「いえ、まだ。」

「今日は何にされますか?あ、ボクはハンバーグランチで。」

白井さんは、少し急いでいる様子で先に自分の注文を店員さんに伝える。

「私は、野菜カレーで。」

なんとなく、ハンバーグランチは避けてみた。

白井さんは、少し驚いた様子で私の方を見て、

「カレーですか。カレーもいいですよね。僕も今日はそうしようかな。」

と、店員さんに注文を修正した。

そうやって、私の注文にあわせるところがなんだかかわいい。
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