恋ふうせん
白井さんは、またいつもの柔和な笑みを見せた。

「わかりました。30分だけ僕に時間を頂けるんですね。会社から10分ほどいったところに毬藻公園があるんですが、ご存知ですか?」

「はい、知ってます。きれいなバラ園がある広い公園ですよね。」

「ええ、その公園にあるバラ園で。」

そして、そのまま私達は何事もなかったようにカレーを食べて、カフェを後にした。
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